
【タイトル】NAGOFES 2025
【日 時】2025年11月7日(金)、11月8日(土)開催
【場 所】なごのキャンパス
11月7日(金)・8日(土)、なごのキャンパスで「開業記念祭 NAGOFES2025」が開催されました。
今年も、“ひらく・まぜる・うまれる”というコンセプトのもと、多彩なコンテンツで来場者のみなさまをお迎えしました。
当日の熱気あふれる様子を、写真とともにたっぷりご紹介します!
11 / 7 (Fri.)|Business Day


初日(11月7日)は「Business Day」という枠組みで、起業や新規事業、イノベーションに関心のある方向けのコンテンツをご用意。
なごのキャンパス入居企業や会員だけでなく、学生さん、ビジネスパーソン、起業家、経営者など、さまざまな方が集い、会場は活気に満ちていました。
13:00-16:00 「Knots by TOIC」

NAGOFESの始まりは、東海国立大学機構( 岐阜大学・名古屋大学)の産学融合拠点 Tokai Open Innovation Complex (TOIC) の出張イベント!
会場は体育館で行われ、企業や大学、官公庁など幅広い属性の参加者が集まりました。

トークセッションでは、TOIC全体の概要と、入居者・会員6社の取組み事例が紹介されました。
TOICとは
東海国立大学機構(岐阜大学・名古屋大学)が誇る研究リソースを結集し、オープンイノベーションを推進する産学融合拠点です。
拠点のコンセプトは「東海地域の課題解決に取り組むことにより、イノベーションを創出し地域の活性化を実現すること」。
「産学交流」「起業活動」「共同研究」の3つの機能を集約し、大学 × 企業 × 行政 × ベンチャーが交わる“知のハブ”として、多様なステークホルダーの新たな出会いと共創を生み出しています。
名古屋大学と岐阜大学に「名古屋サイト」と「岐阜サイト」が設置されており、どちらか一方のサイトにアクセスすれば両大学とつながることができます。2つのサイトはそれぞれ独自の取り組みも行っています。
【登壇者】
・大野 一茂 氏|株式会社 MirumeA 代表取締役 CEO
・西垣 快眞 氏|株式会社 LiemPia 代表取締役社長
・北出 幸夫 氏|株式会社 e-NA Biotec 代表取締役/岐阜大学名誉教授/岐阜薬科大学 客員教授
・立川 弘幸 氏|株式会社カラボ 代表取締役
・奥田 智洋 氏|株式会社アイ・ティ・イノベーション執行役員/西日本コンサルティンググループプロデューサー
・金森 亮 氏|名古屋大学 未来社会創造機構モビリティ社会研究所特任教授
会場後方では、ポスター発表やネットワーキングが行われ、発表者から取り組みについて話を聞けたり、プロダクトを体験したりすることができました。



14:00-16:30 「RE:CRAFT – 伝統と今が交わる未来づくり 〜伝統産業×新規事業の可能性をひらく共創セッション〜」

HOME ROOMでは、「RE:CRAFT – 伝統と今が交わる未来づくり 〜伝統産業×新規事業の可能性をひらく共創セッション〜」が開催されました。
本セッションは、パネルディスカッション、ピッチ、ワークショップの3部構成。
ゲストには、飲食事業や被服・服飾など、東海エリアで長く息づくさまざまな老舗企業の代表が集結。地域に根ざした伝統産業や地場技術を現代の感性やニーズに合わせてアップデートし、新たな価値を生み出す可能性を探る時間として、「伝統産業の今」を参加者とともに考え、語り合いました。
また、会場には今回の登壇者の製品や、名古屋を中心とした伝統産業従事者の商品展示も行われました。



第1部|パネルディスカッション
伝統が未来をつくる:再構築された伝統産業の今

【登壇者】
・坂野 豊和氏|株式会社まるは 代表取締役
・中神 裕介 氏|株式会社タネイ 常務取締役/株式会社中神保険事務所 代表取締役
・中村 慎吾氏|株式会社ナカムラ 専務取締役
【ファシリテーター】
・淺野 一平 氏|プランニングオフィス・ラグーン有限会社 代表取締役社長
・岡本ナオト|なごのキャンパス ソーシャルプロデューサー
第1部のパネルディスカッションでは、愛知にお住まいの方なら一度は耳にしたことがある老舗企業の代表が登壇し、地場産業×イノベーションを軸に、リアルな体験談を語ってくださいました。

・変えるべきこと、変えない方がいいこと
・社内をどう動かし、社員をどう巻き込むか
・どのように計画を立て、実行しているのか
・独自性をどこで生み出すか
といった、伝統事業を時代に合わせて進化させるための具体的なポイントが次々と共有され、参加者の皆さんも熱心に耳を傾けていました。

第2部|お悩みピッチ
技術はある。次の一手を共に探したい

【登壇者】
・古田 憲司 氏|有限会社元祖鯱もなか本店 専務取締役
・川瀬 なをみ 氏|株式会社末廣堂 代表取締役 四代目
・上田 泰平 氏|山眞産業花びら舎 取締役
第2部のピッチでは、伝統産業を受け継ぎ、次の一手を模索する3名のプレイヤーが登壇。多様なバックグラウンドを経て後継となった彼らが、現在取り組んでいるチャレンジや、まさにいま直面している「悩み」を率直に共有しました。
社会情勢の変化、グローバル化、テクノロジーの加速……絶えず変わり続ける環境の中で、モノづくり企業は伝統技術をどう継承し、消費者や他企業とのどのように関係性を築いていくべきか。
守る事業や課題はそれぞれ異なっていても、「伝統産業を今に活かし続ける」という軸には確かな共通線があり、その悩みは多くのビジネスにも通じるものだと感じさせられます。
リアルな事例や葛藤に触れるひとときは、参加者一人ひとりにとっても、これからのビジネスをどう描くかという視点を深める時間となりました。
第3部|共創ワークショップ
共につくる“次の一手”——伝統に、皆さんの知恵と想像力を掛け合わせる時間

ピッチの後は、登壇者が語った課題をテーマに、共創ワークショップが行われました。
参加者は各登壇者を中心とした3つのグループに分かれ、付箋を使った対話を通じてアイデアを交換。新たな可能性や方向性を探りながら、3社の「次の一手」を考える時間となりました。

職人や地場産業の担い手、ビジネスパーソン、クリエイター、学生、まちづくり関係者など、多様な人々が垣根を越えて混ざり合い、“ローカルの未来を共創する瞬間”が会場の至る所で生まれていました。

「技術や素材の活かし方」「今の時代に合った届け方」「コラボレーションの可能性」など、自由な発想が飛び交い、最後は各テーブルがアイデアを発表。
複数の視点が加わることで、課題を抱えていたゲストにも“次の一手”につながる芽が見えてきたようです。
今回の共創をきっかけに、各社がどのように成長し、変化していくのか——これからがますます楽しみです。
16:30-17:00 「なごのキャンパスの “今” を知れる 入居者ピッチ」

なごのキャンパスの入居企業によるショートピッチで発信するイベントが行われました。なごのキャンパスには、どんな企業がいるのか・どんな分野で活躍しているのかを覗き見していただける時間です。
【ピッチ登壇企業】
・株式会社Wewill
・KUROFUNE株式会社
・株式会社トクイテン
・株式会社SonoSaki
株式会社Wewill

初めは、バックオフィス領域の変革に挑むスタートアップ「株式会社Wewill」さん。
業務の“属人化”によってブラックボックス化しがちなバックオフィスの構造に切り込み、これらを社内業務ではなく一つの“インフラ”として捉え直すことで、効率化と企業成長を支える事業に取り組んでいます。
中核となる分業管理プラットフォーム「SYNUPS(シナプス)」は、顧客へのヒアリング内容をもとに業務を分業で実行することで属人化を防ぎ、高品質なサービスを安定的に提供できる仕組み。
これにより、支援先企業の成長を後押しするだけでなく、自社スタッフがバックオフィス人材として専門性を磨き、着実にキャリアを築ける環境づくりにもつながっています。
KUROFUNE株式会社

続いては、特定技能労働者の採用から定着までトータルサポートする「KUROFUNE株式会社」さん。
日本が抱える労働力不足のなか、「特定技能」のビザで働く外国人は急増していますが、同時に「人材が定着しない」「受け入れコストが高い」といった課題も顕在化しています。
その状況に対し、労働力の補完にとどまらず、外国人労働者が日本社会で継続的にキャリアを築ける仕組みが必要だと考え、同社はアプリ開発を軸とした支援事業に取り組んでいます。
ピッチでは、現在のメイン事業である在日外国人労働者向け生活支援アプリ「KUROFUNE LIFE SUPPORT」の開発・運営について、より詳しい説明が行われました。
株式会社トクイテン

続いては、持続可能な農業をテクノロジーで目指す「株式会社トクイテン」さん。
環境の状態を監視したり、遠隔で農業機器を操作したりするスマート農業の仕組みに、AIやロボットによる自動作業、さらにはデータを活用して有機農業を再現する技術を組み合わせた自動化システム――「トクイテンパッケージ」を提供しています。
これにより、有機農業の収穫量を増やしつつ、コスト削減と効率化を両立し、自然に寄り添った持続的な農業の実現を目指しています。
ピッチでは、有機農業におけるロボット技術について、実際の稼働動画を交えながら紹介いただきました。
また、自社農場で展開しているミニトマトの有機栽培事業についても説明がありました。ちなみに、そのトマトはなごのキャンパスのイベントで振る舞われることもありますよ🍅
株式会社SonoSaki

最後に登場したのは、3DCGや3Dプリンターを学べる「みらいのおねんど教室」を通じて、子どもたちの“アイデアを形にする力”を育む教育スタートアップ「株式会社SonoSaki」さん。
行政や企業との幅広い連携のもと、デジタル技術を取り入れたモノづくり体験を提供しながら、未来を切り拓くための「非認知能力」を育む場づくりに取り組んでいます。
ピッチのあとは、会場を「HOME ROOM」から併設カフェ「yoake」へ移動し「RE:CRAFT – 伝統と今が交わる未来づくり 〜伝統産業×新規事業の可能性をひらく共創セッション〜」と「なごのキャンパス入居者ピッチ」の登壇者を交えた交流会が開かれました。


ジャンルや業種を越えて、人々がオープンに語り合う姿があちこちで生まれ、柔らかな熱気に包まれていました。
18:00-19:30 「NEXT CHANCE PITCH」

初日の締めくくりは、ピッチコンテストに挑んだ学生チームのアイデアを磨き直すピッチリブート企画。
中高生、大学生の登壇者が、なごのキャンパス入居企業や一般参加者(学生・社会人)に向けて再びピッチを行い、多様な視点からフィードバックを受けながら、アイデアの“新たな可能性”をともに探りました。

日常で感じる小さな不便から、大きな社会課題まで――それぞれが向き合い、考え抜いたビジネスアイデアが次々と披露されました。
今という時代を生きる若者だからこそ持てる当事者視点、課題への繊細な感受性、そして解決への柔軟な発想。そのすべてが新鮮な魅力となって、会場に広がっていました。

評価だけで終わらせず、「実現のためにあと一歩、何を磨くべきか」を参加者も一緒に考えながら、未来のイノベーターたちの発表を見守りました。
イノベーションの本質は、アイデアをどうスケールさせ、社会に実装するか。この企画では、学生たちのピッチに対して、多様な立場の聴者が率直なフィードバックを返し、対話を重ねました。そこから生まれた“気づき”は、彼らの次の一歩を、きっと力強く照らしてくれたはずです。
>>>続き:DAY2「Family Day」のイベレポはこちらから
